公開教室ブログにて、フォニックスについての記事を書きました。
お時間のある時にぜひご覧になってみてください。
こちらの非公開限定ブログでは、実際のクラスでどのようにフォニックスを導入し、どのように取り入れているかを簡単にご紹介します。
近年、「できるだけ早いうちにフォニックスを導入し、まだ年齢が低いうちから読み書きも導入する」という流れも、他の英語教室の案内などを通じて目にするようになりました。 ベスティ子ども英語教室では、基本的に以下のような流れで導入しています。
【基礎クラス】 アルファベット26文字の音を徹底的に学習。発音矯正も行い、綺麗に発音するための土台作りをします。基本的には読み書きまではせず、あくまで土台作り。でもこの時点で、文字に興味のある子は少しずつ自然と文字が読めるようになってきています。
【上級クラス(1年目)】 基礎クラスで身に付けた26文字の音をベースに、文字を読む、書くの練習が始まります。
まずは26文字の音がきちんと入っていれば読むことが出来る3文字の単語からスタート。
基礎クラスの土台作りの段階で、すでに文字が読めるようになっている子もいますが、基本的にはこの段階で初めて「音がつながると文字になることに気づく」という体験をします。
このことに気づき、そしてすでに26文字の音が完全に定着していれば、すぐに3文字の単語が読めるようになり、その後しばらくして書けるようになります。この時点ですでに読める段階の子供には、細かい違いを教えていきます。
例えば、mad と mat という2つの単語。この場合の「a」の発音の方法はそれぞれ微妙に違うことをご存知でしょうか?こういった細かいことにも目を向けていきます。こういった積み重ねが綺麗な発音につながります。
上級1年目からはあわせてサイトワードも導入します。サイトワードについては、後日別の記事を書きたいと思いますが、簡単に言うなら「フォニックスのルール通りでは発音できない単語」のことです。この段階で少しずつサイトワードも並行して取り入れていることには戦略的な理由があるからです。
そして、26文字の音のみならず、さらに複雑なフォニックスのルールも学習していきます。
一般的な英語教室との大きな違いは、子供たちの「気づき」や「そうだったんだ!」という感動を大切にしていることにあると思います。普通であれば、「ルールを習う」→「そのルールを使って文字を読んでみる」「文字を書いてみる」という流れが一般的です。
でも、当教室では「ルールを教える」までの前段階をとても大切にしています。今回のフォニックス学習を例にとると、26文字の音を徹底的に練習するという土台がとても大切なのです。ここが定着していれば、その後、実際にルールを教え、さあ文字を読んでみよう!書いてみよう!という段階に達した時に、スムーズに次の段階に移ることができるのです。そして何より、子供たち自身、「自らルールに気づく」体験ができるのです。その過程を経たことで、必要以上に何かを教え込まなくても、自ら理解して、自ら単語を読み、書けるようになっています。
「誰かに教わるルール」 と 「自ら気づいて習得するルール」
どちらがより定着すると思われますか?
日本語を介さなくてもルールを理解してもらえるように、そして、子供たち自ら気づけるように、その前段階をとても大切にしていることが少しは伝わりましたでしょうか。
ちょっと遠回りと思われるかもしれませんが、何かを教えなくては!と思わずに、あたたかい目で見守っていただけたら嬉しく思います。
今回の記事ではフォニックスを例に挙げましたが、基本的にはすべてにおいてこの考え方がベースになっています。文法学習も同様。「文法を教えて、その練習をさせる」のではなく、(本人はよく分かっていないけれど)何度も口頭で使っているうちに何となく身についていた、言えるようになっていたという土台をもとに、上級クラス以降で文法についても少しずつ学んでいきます。
本人に気づかせるための土台作りを、緻密な戦略のもとで丁寧に、丁寧に繰り返し行っています。
そして環境を整えて、本人の気づきや興味、モンテッソーリ教育でいう敏感期につなげていきます。
ちょっと道のりを遠く感じるかもしれませんが、まだまだ幼児~低学年。高学年になった時にこんなに話せるようになっていた!を目指していきましょう。